私達僧侶は回向や祈祷をするときにお経を読みます。でも信者さんの中にはお経は呪文みたいで何を言っているのか全然わからない、と思われる方もおられるでしょう。

 お経とは、お釈迦様が出家者や在家者に対して語った教えを弟子たちが口伝によって語り継いだものです。今我々が読んでいるお経はきちんと文字になっていますが、それらはお釈迦様が入滅されて、かなり時代が下ってから編纂されたものです。何故かというと、文字にすると後からいつでも読めてしまう安心感から、その時々に聞いた言葉を命がけで受け止め、忘れないという、仏教の基本的な修行が疎かになってしまうからです。しかし、口伝だけではどこで教えが変化してしまうかわからないので、やむなく文字化に踏み切ったのです。