アメリカの作家オー・ヘンリーが夫婦愛を綴った

『賢者の贈り物』という小説があります。

ある町に決して豊かではないけれど仲睦まじい若い夫婦がいました。

主人は工場で朝から晩まで一生懸命に働いています。妻は家庭を守ってくれていました。

クリスマスが近づいた時のことです。

主人は結婚して以来なかなか妻にプレゼントを贈れていない、今年こそ何か贈ってやりたいと思っていました。

妻は腰まである長い綺麗なブロンドの髪を大切にしていました。「そうだあの髪に合う鼈甲の櫛を贈ろう」

一方妻も思いました。主人に何か贈って上げたい。ふと思ったのはいつも大事にしている父親の形見の金の懐中時計。でも鎖が切れていました。

「プラチナの鎖がいいわ」

でもお金がない。共に密かに思いあぐねました。

そしていよいよクリスマスイブ。主人の帰りを胸をときめかせて待っていた妻。

「ただいま」

勢いよくドアを開けた、主人の目に飛び込んだ妻の姿。あの美しい長い髪はバッサリ。一方夫のチョッキのポケットには金時計がありません。

二人は思わず息を呑み、次にがっかり。せっかく用意したプレゼントが役に立たなくなったのです。お互い自分が一番大切にしている物を売ってプレゼントを求めたのでした。

二人は長く深く見つめ合いました。そして微笑みました。櫛でも鎖でもない、「思いやり」というプレゼントを贈り合ったのでした。

ところでこんな句があります。

「外で俺が働けるのも家をお前が守りゃこそ。私みたいなふつつか者を、貴方なりゃこそ大切に」

日蓮大聖人様は夫婦のあり方についてこの様に教えて下さっています。

「矢の走ることは弓の力雲の行くは龍の力、男の仕業は女の力なり」お互いの支え合いで家庭が成り立っているのだよ、これが基本だよと語っておられます。