コラム 諦める(あきら・める)

 どれだけ頑張っても思い通りにいかなくて「もう諦めた」とため息をつく日もある。

 投げ出すようなネガティブな響きがあるが、実は仏教に由来する、とても前向きな言葉だ。

 仏教で「諦」は「明らかにする」という意味がある。物事のありのままの姿をじっくり観察し、真実をはっきりと見極めることだ。つまり「諦める」とは、途中でやめることではなく、しっかり「見極める」ことなのだ。

 自分でできることはとことん突き詰め、どうにもならないことは必要以上に悩まない。それこそが仏教の極意と言えよう。コントロールできない現実を正しく見極め手放せば、次の一歩が不思議と見えてくるような。ふっと肩の力を抜いて、今日もできることから始めてみましょう。