コラム 法華経の成立(四)

 大乗の修行者を菩薩と呼びます。菩薩とは仏の悟りを求めて修行する者という意味です。菩薩は元々は修行時代のお釈迦様を指す言葉でしたが、時代が下るにつれて大乗の修行者を指すようになりました。菩薩というと、我々日本人にとっては馴染みのある言葉ですね。

 例えばお釈迦様の次に仏になることが約束されている弥勒菩薩や、慈悲の象徴である観世音菩薩、は皆様も名前くらいは聞いたことがあるかと思います。ちなみにこの御二方は法華経にも登場します。

 菩薩と聞くと、なにか気が遠くなるような、雲の上の存在のように感じるかもしれませんが、実は本紙を通してお釈迦様の教えに触れてみたいと感じておられる時点で、皆様も既に菩薩道の入り口に立っているのです。