10月のお便り

 滋賀県の商人を近江商人といい、「三方よし」の家訓が有名だ。

 三方よしとは「世間よし、売り手よし、買い手よし」のこと。

 この考えは、仏教の菩薩行に似ている。菩薩行の目標は皆の幸せの実現である。そのため自らは仏道を求め、他の衆生に対しては法を広め伝える。

 多少の違いはあれど幸せな社会の実現のため、どうすればお客さんが幸せになれるかを考え実践し、結果として自らも潤いを得るという考えは仏教に通じ普遍的なものであるが自分のことしか考えない現代の風潮の中では新鮮に映る。  U.K