コラム 降伏(ごうぶく)
「こうふく」と読めば、参りましたと敵に降参する意味となるが、仏教では「ごうぶく」とにごって読む。
今月12月8日は釈尊成道の日。釈尊の修行中7年の間、ずっと悪魔がつきまとって悟りの邪魔をしていた。この日、釈尊は尼連禅河(にれんぜんが)(ネーランジャー河)の畔で悟りを得るための瞑想に入ったが、悪魔は「そんなに努力して悟りを得ても一体何の得があるのでしょう」と、最後の誘惑をかけてきた。しかし釈尊は応じることはなく、明けの明星が輝く頃、これ以上いくら誘惑しても無駄であることを知った悪魔は消え失せていった。釈尊の降魔成道(ごうまじょうどう)の物語として語り伝えられている。
降参させるのではなく、慈悲心に基づきその悪質を取り除いて安楽にせしめようとするのが仏教の降伏(ごうぶく)である。
