コラム 数珠(じゅず)

 お詣りするとき手にかける仏具で、お題目を唱えるときなどに欠かせないものである。

 もとはインドのバラモン教で呪文や陀羅尼を唱えるとき数を数えるための道具として使われたが、やがて仏教徒の象徴的な持ち物になっている。また西へ伝わったものがカトリック教会のロザリオだといわれる。

 日本にも古くから伝わり、正倉院の御物の中にも見られるという。誦数・誦珠・呪珠などとも表記され、念珠とも呼ばれる。一般に玉の数は中玉百八個で、百八の煩悩を退散させる意味があるとする。

 本宗では、普段は二環にして左手首にかけ、合掌のときは左手の拇指と示指の間にかける。特に勧請・唱題・回向の時は、綾にして両手の中指の中程より上にかけ合掌する。また摺鳴らさないなどの作法がある。