1月の法話 新年のご挨拶/日 慧


 初春を迎えてご挨拶申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申しあげます。

 今年は申年。サルは去るに通じるとして、忌み嫌われることがあります。でも年の「申」は、「猿」とは異なる字で表します。

 この「申」という字は、福神・伸縮・神変などを表すとされています。忌み嫌うどころか、福の神です。伸縮というのは、この年に人が踏ん張れば「伸」となって伸びるというのです。商売でも事業でも、あるいは学問・芸能・様々な技術など、自身がその意気に燃え努力するならば、どんどんと伸びる。また自ら巻き起こす流れの中に人を得れば、組織としても大いに伸ばすことができる年なのです。まさに飛躍の年ともいえるのです。

 干支についてさらに見ていくと、本年は「丙申(ひのえさる)」の年とされています。「ひのえ」というのは「火の兄」のことで、同じ火の性をもつ丁(ひのと=火の弟)より、兄と言うだけあって、強い力を持っているといわれます。つまり燃えさかる火のように陽気で勢いがある年ということになります。ただ、調子に乗りすぎるとコントロールが効かなくなり、炎上する危険があるとされます。

 ということで、本年は先ず自らの志を持って、粘り強く努力するなら、自身も大いに伸びゆき、また時に人材を得てさらに勢いを伸ばしていくことが期待できるできる年といえます。但しひとつ注意しなくてはならないことがあります。勢いに乗じて冷静さを欠くと思わぬ落とし穴に陥ることがあるといいます。

 どんなに文明が発達しても、私たちは未来を見定めることはできません。先人は干支や、星の運行など古くから伝えられてきたセオリーを参考に、身を律し方向性を決めてきました。

 そんな私たちの心を支えて下さるのが、仏さまであり、その教えである法華経お題目、そして妙見様なのです。調子に乗りすぎても頭を冷やせと言って下さるのが仏です。日頃から信じ行じることが大切です。