7月の法話 ところ変わっても南無妙法蓮華経/日  慧


 六月六日から十三日、有志ご信者様たちと総勢十七名にて、アメリカのラスベガス観音寺様へ参拝の旅に出ました。

 三年あまり妙見山・眞如寺でご修行され、今年二月に荒行堂第再行を成満された金井ダグラス勝陀上人と師父金井勝海僧正が住職交代されることとなり、その式典に参詣することが主な目的でした。

 法要には現地のご信者も大勢お詣りでした。事前に式典の次第が記された小冊子が配られました。お経や日蓮聖人の御妙判までが書き納められています。

 この式次第に従って、厳粛裡に法要が進められていきます。お経はローマ字でji ga toku butu raiという具合に書かれているのを読みます。これは読めます。

 ところが訓読(和文訳)に当たるところは英語訳になっています。この様にしてアメリカの人たちにも、法華経そして日蓮聖人の教えを伝えようと、先師方が苦労されてきたのだと思うと、それだけでも感激してしまいます。ただ、英語になれない私が、練習なしでいきなりこれを読むには、早過ぎてとてもついて行けません。御妙判も英訳文です。私だけではなく同行の人たちの声も段々小さくなっていきます。

 せっかくお詣りにはるばるやってきたのに、声高らかに現地の方たちとともに読誦できないと思うと残念でもあり、寂しい思いもします。

 そんな思いでいたところで御題目になりました。木鉦に合わせてダグラス勝陀上人の弟さんが太鼓を打ちます。

 南無妙法蓮華経
 南無妙法蓮華経

と、一堂に集まった人々が日本人もアメリカ人も関係なく、同じ発音で、一心に合掌して声高らかに唱えました。

 御題目の教えが世界中に弘まり、御題目によって全ての人が心を一つに寄せ、互いに助け合い、楽しみを分かち合っていくことのできる世界。それが日蓮聖人のご理想ですが、その一端を体験できた瞬間でした。