コラム 我慢(がまん)
九月に入って、炎暑も和らぐかと期待しているのですが、涼しくなったらなったで、今度は寒さがどうなるかまた気にかかります。
暑いだの寒いだのとブツブツ言いなさんな、少々のことは我慢しなさいと言われそうです。
我慢というと、辛抱、忍耐など良い意味に使われていますが、もとは仏教では六つの根本煩悩のひとつ「慢」に属するものです。
慢とは慢心のことで、自らを誇示しおごり高ぶり、逆に他に対しては軽侮する心のことを言います。
慢はさらに七つに分類され、その5番目が我慢とされます。
我慢とは自己に執着して他を省みず、言われなき優越感を抱くことなのです。
人は他と互いに寄り添って生きているものです。
このような我慢に陥ることなく、共に助け合っていくことが肝要だと、仏は諭されています。