2月の法話 若さの秘訣/服部憲厚

 大学を卒業し、こちらで山務を勤めさせていただいて五年になります。

あれからもう五年……。時の移ろいの早さは皆平等ですが、自分だけ年をとったような気になるのは私だけでしょうか?
 

 さて、この五年間私なりに統計を取ってみたところ面白いことがわかります。

それは、お寺にお詣りに来られるご信者様の六割か七割或はそれ以上、女性の方が多く、

その殆どの方が実際の年齢より若々しいということです。

これはお世辞でもなく実際によく感じることですが、若さの秘訣はどこにあるのでしょうか?
 

 巷では、アンチエイジングと言われる若返りを目指した化粧品や、健康食品等が流行っているようです。

しかし、皆さんの若々しさはそんな小手先だけのものではなさそうです。
 

 「実際は○才だけど心は二十よ!」と言われる方もおられたように、

どれだけよい化粧品や健康食品を使ったところで心の若さや元気がなければメッキはすぐ剥がれてしまいます。
 

 青春時代真っ只中の方は今の自分をかえりみて、また遠い昔のことだと思う方は若かりし頃を思い出してみて下さい。

あの人に会いたいと恋い焦がれる思い、憧れの人を慕う心があったと思います。これが若さの原動力です。
 

 お自我偈というお経の中には「恋慕(れんぼ)」という言葉が二度もでてきます。

仏様が滅っせられたとき、また仏様にお会いしたいと願う人々がたくさんいました。

その人々の強い気持ちを「恋慕」と表したのです。憧れの人を恋い慕う青春の心と似ています。
 

 お自我偈の続きにはこうあります。

「恋慕の心から一心に仏に会いたいと思い行動するならば、私(仏)はあなたの前に必ず現れましょう。」

一方通行ではありません。お経は、私たちに対する仏様からのお手紙でもあります。
 

 仏を仰ぎ見、合掌したその胸に恋慕の心があるかないか。大きな違いです。

恋慕の心、これがご信者様の若さの秘訣だったのです。