12月の法話 新しいカレンダー/詠裡庵

P1050557 師走に入り、残り少なくなったカレンダーを見ると新しい年のカレンダーが気になります。

 なくてもいいようなものですが、カレンダーがないと、何か社会の流れから取り残されたような気になります。日めくりもあれば、一ヶ月ないし二ヶ月ずつめくるのもあります。一月から十二月までが一枚になったものもあります。でもカレンダーは一年ごとに変わります。これが日記帳だと、三年日記などもあります。同様にカレンダーも何年か使えるものがあってもいいのではないでしょうか。そのうち百年カレンダーが欲しくなるかも知れません。

 百年カレンダーは長すぎるという人がいるかも知れません。孫の代まで同じカレンダーを使うなんて、考えられないというわけです。

 平成二十二年の平均寿命が男性は七十九歳、女性は八十六歳(労働厚生省のホームページより)でした。百年にはまだ足りませんが、平均寿命が少しずつ伸びている昨今、そんなカレンダーがあってもいいかもしれません。

 人の一生を見ると、誕生から始まって、初七夜や御食い初めなど、いろいろな節目があります。「今日は二十歳の誕生日。大人になった日だ」。また、人生の後半になると、「病気で入院した」「元気になって退院できた」など、自分自身と一緒に人生を刻んでくれるカレンダーはどうですか。

 それに、私たちを取り巻く生活環境は、日を追うごとに良くなっています。医療の面から見ると、病気を治す医療から、病気を予防する医療に変わってきました。健康を保つような体操も盛んに行われています。

 高齢になっても元気な世の中。百年という先が長いカレンダーを見ながら、これからまだまだ色々なことが出来そうだと、夢を持って暮らしていくのもいいものではないでしょうか。新しい百年カレンダーは、そんな可能性を見せてくれると思います。長いようでもあり、短いようでもある百年。横に置いて人生をじっくり味わってみませんか。