1月の法話 コツコツのコツ/小林 謙照

 新年明けましておめでとうございます。さて、みなさんは新年の目標を立てましたか?

 僕は毎年目標を立てて、一度も達成したことがありません。むしろ、去年の目標すら覚えていません。いつも身の丈に合わないハードルの高い目標を設定していた気がします。

 みなさんの中にも同じ経験をした方がいるのではないでしょうか。

 そこで、みなさんに朗報です。最近読んだ「小さな習慣」という本の中に目標を達成するためのとても簡単なテクニックが書いてありました。そこには、長期的な目標を達成するためには「小さすぎて失敗のしようがない行動を習慣化すること」が非常に有効です、とありました。

 著者は健康管理のために運動を習慣化したいと考えて、毎日「腕立て伏せ一回チャレンジ」を開始しました。今では三十分の本格的な筋力トレーニングに発展したそうです。

 ポイントは「一回だったら簡単!」と認識することで、躊躇なく腕立て伏せの姿勢になることでした。一度その姿勢になってしまえば、ほとんどの人が一回以上腕立て伏せをするのではないでしょうか。もちろん一回でも目標達成ですのでそこでやめても問題はありません。ハードルを低く設定し「一回できた!」という成功体験をコツコツと積み重ねることが大切とのことです。

 さて、日蓮宗で読む経典は法華経という大乗仏教のお経です。大乗仏教の目標は「生きとし生けるものすべてを救う」ことです。壮大ですね。途方に暮れるくらい壮大ですね。

 これを先程の小さな習慣に照らし合わせるとどうなるでしょうか。小さすぎて失敗のしようがないこと。僕は「一日一回ニコッとする」ことにしました。この小さな習慣がどのように発展していくか、自分でも楽しみです。

 ぜひ皆さんもこのテクニックを試してみてくださいね。みなさんの目標が達成できますように。