8月の法話 ふたりのはげつるぴん/小林謙照
先日、ある蒸し暑い夜、春先におかっぱ頭にしていた息子の髪が伸びてきて暑苦しそうだったので「そろそろ髪切るか?」と聞くと「きるー!」と元気のいい返事。どんなのが良いか聞くと「あついから、おとうさんとおなじ、はげつるぴん!」ときた。「はげつるぴん」どうやら息子の中で坊主頭はすべて「はげつるぴん」らしい。
その後、私の愛用バリカンで見事はげつ、、いや、坊主頭になった息子は、よほど気持ちいいらしく、寝るまでずっとご満悦な顔で自分の頭を触っていた。
そういえば、私も自分の頭をよく撫でている。確かに気持ちいい。
坊主頭は気持ちいい上に何かと楽だ。風呂上がりにはドライヤーいらず、タオルも小さいタオルで事足りる。寝癖もつかないから身支度も楽チン。
さてさて、坊主頭の『坊主』はもともと「坊=小さなお寺」の「主=住職」という意味で住職は剃髪(ていはつ)していたため、転じて丸刈りのことを坊主刈り、坊主頭と呼ぶようになったのだとか。
これは、仏教発祥の地、古代インドでは頭髪を剃ることが恥ずかしいこととされ、重罪を犯したものへの刑罰だったが、お釈迦様はあえて出家のため自ら剃髪したことから、弟子たちがそれに習い、出家するときは剃髪するようになったとされているのが由来のようだ。
息子は当然そんなことは知らぬが、坊主頭が好きだし、将来の夢を聞くと「お坊さんになって、おとうさんとぼうけんする!」と言ったりする。お坊さんが冒険(布教の旅)!?お釈迦様かよ(笑)
冗談はさておき、本当に一緒に冒険(お釈迦様のように説法の旅はできそうにない)ができたらステキだなと思う。
息子が大きくなる頃は、どんな世界になっているのだろう。冒険に備えて、心身ともに精進しよう。
さぁ、わたしも「はげつるぴん」にして、寝るとするか。