6月の法話 変化の捉え方/小林 謙照
緊急事態宣言に伴う休校措置を受け、家の中で子どもたちと過ごす毎日です。
学校から配布された課題に取り組むのですが、わからない問題があると「おとーさん!わからん!」と呼ばれるので仕事がなかなか進みません(笑)。
近所の公園で遊ぶこともはばかられるので、猫の額ほどの自宅の庭遊びで我慢してもらっていますが、元気に遊んでいる姿を見ると、やはりホッとします。
さて、大人たちはというと、不要不急の外出自粛、多業種での休業要請、急速に広がったテレワークなど生活ががらっと変わりました。
観光地から人が消え繁華街も閑散となりました。テーマパークやコンサート会場なども、ことごとく閉店。メディアに不安を煽られて、辟易しているのが現状ではないでしょうか。
緊急事態宣言が解除になっても、ウイルスがなくなったわけではなく、厚生労働省から発表があった【新しい生活様式】を取り入れつつ、日常を取り戻さなければなりません。
私達人間は『習慣の生き物』といわれています。良い習慣も悪い習慣も一度習慣化すると変えるのは難しい。
そして無自覚に平穏で健康な毎日がずーっと続くと思い込んでいます。それが今回ものすごいスピードで変化したのですから、不安な気持ちになる方も多いと思います。
しかし、こんなときだからこそ仏教の基本的な考え方の一つ『諸行無常』というキーワードを思い出していただきたいのです。
『世の中のすべての物事は常に移り変わり、同じ状態のものは何一つありません。』
変わらないという思い込みは、執着を生み、苦しみへと繋がります。
変化していくのが当たり前!ということを意識して日々を送ることができれば、苦しみや悲しみを軽減できます。
コロナウイルスの影響で強制的に生活が変化した今、それを悲観的に捉えるのではなく、変わらないという思い込みをやめて、前向きに変化できるチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。