8月の法話 能勢のうまいもん/箕浦 渓介
「能勢にはおいしものがたくさんあるんやで!」
ある日、妻にそう言われた。能勢に勤めるようになって5年になるが、思えば一度も能勢でご飯を食べに行ったことがなかった。
いい機会なので、暇を見つけては妻が勧める能勢のお店にご飯を食べにいった。
うまかった…。正直、軽い気持ちで食べに行ったので、行く店行く店があまりにも美味しかったので驚いた。古民家をリノベーションしたレストランやログハウス風などの素敵なカフェなどがいくつかあり、隠れ家的な雰囲気もよかった。
能勢には古くから「三白三黒」という名高い特産物がある。
三白というのは米・寒天・高野豆腐。三黒というのは栗・炭・黒牛。
中でも能勢の栗は有名で、毎年秋には、大粒で味の良い能勢特産の「銀寄(ぎんよせ)」栗を求める人々の車で渋滞ができるほど。飛ぶように売れることから「銀=お金を寄せる」とその名がついたという。
しかし今回私が一番感激したものは黒牛である。
サシが入っているのに口当たりさっぱりで、濃厚な風味は残るのに脂だけが口の中からスッと消えた。
いつもお肉を食べたあとには感じない清涼感…。
能勢の黒牛のサシは「不飽和脂肪酸」、つまり固まっていない脂だから、口当たりがさっぱりするだけでなく、食べてもカラダの中では一切固まらないのだそうです。
これは大麦を主に餌として食べている能勢黒牛だからこそ。
美味しいだけでなくカラダにも抜群にやさしいお肉なのです。
なんだか食べ物ブログみたいになってしまいましたね…
見たこともない遠くの土地へ行けば数多くの発見があるのは当然だが、身近な場所でも発見できるものがあることを知った。
最も近い私たちの心の中には、仏様が下さった仏種という宝物があると法華経に説かれている。
あまりにも身近なために忘れているこの仏種を、再発見することの大切さを改めて感じた。
さて、、、次はなにを発見しに行こうかな。