コラム 利益(りやく)


 円安がどこまで続くことかと気にかかる昨今。利益と書いてあれば「りえき」と読むのが普通でしょう。
 寺社へお詣りしたときに、家内安全、商売繁昌、学業増進など様々なお願いをしますが、このように神仏からいただく恵みのことは利益と書いて「りやく」と読みます。仏や菩薩が衆生に恵みを与えるという意味の仏教語です。
 ただし、仏にいただく利益とは、必ずしも目に見える物質的な恵みを与えて下さるというわけではありません。というよりむしろ精神的な意味での恵みをいただくことのほうに大きな意味があります。
 金利や株の変動に対応することも大切ですが、目先の「りえき」に心身をすり減らすだけでは人生を楽しむことはできません。心の安らぎを得ることも人生にとっては大切なことではないでしょうか。