コラム 善哉(ぜんざい)

辞書には「汁粉の一種。関西では、つぶし餡の汁粉。関東では、粟餅・道明寺餅・白玉餅などに濃い餡をかけたもの」などとあり、甘党の人にとっては思わずゴクリと喉を鳴らしたくなります。

でも、お経では「善きかな」と読み、仏さまが善いと感じてほめるときの言葉を表し、「それでいいのだよ」と絶賛する意味になります。

法華経宝塔品では、釈尊が法華経を説かれたとき、宝塔が地中から涌きだし、天人が花を降らし、人々が香を焚き音楽を奏(かな)でてこの塔を供養します。

すると宝塔の中から多宝如来が大音声で

「善哉、善哉、釈迦牟尼世尊(略)妙法蓮華経を以て大衆のために説きたもう(略)所説の如きは皆是真実なり」

と釈尊の説法つまり法華経の正しさを証明されるという場面が描かれています。