7月の法話 継続は力なり/箕浦 渓介

 7月を迎え、私事ではあるが、この能勢の地に来てから一年半が経つ。ついこの間までは大学生だったのに、、、時が経つのは早いものだ。
 「継続は力」この言葉の意味を私はこの一年半で身をもって体験した。

 私はスポーツジムに通い始めて一年半になる。ジムに通うようになったきっかけは、大学の卒業式の際にスーツを着なければならなかった事に始まる。

 スーツ着用という知らせを受けたのは卒業式の一か月前だった。成人式の時に買ったスーツがあるから大丈夫であろうと安心していた。式の二日前になり、まさか着れないことはないだろうと思いながらも試しに着ようとしたら案の定、ズボンが入らなかったのである。たった二年の間で新品同様のスーツが着れないわけがない。しかし無理矢理ホックをしめようものならボタンがはじけ飛ぶ始末。慌ててスーツを買い直しに行くという、恥ずかしい経験をした。

 それから、何度も心が折れそうになったが、ジムに通い体を鍛え続けたかいあってズボンは無事はけるようになった。しかし、今度は何故か上着が着れなくなったのである。嬉しいような悲しいような、、、

 このようにコツコツと継続することで文字通り力になる。とはいえ、筋力トレーニングだけに限らず何事に対しても継続することは難しいことだ。

 日蓮聖人は「魚の子は多けれども魚となるは少なく菴羅樹の花は多くさけども菓になるは少なし。人も又此のごとし。菩提心を発す人は多けれども退せずして実の道に入る者は少なし」と示されている。菩提心とは、自分が救われるよりも前にまず他の人々を救おうと願う心だ。それがどんなに素晴らしいと分かっていても、まず実践しなければ意味がない。さらにそれを継続するのは大変なこと。

 大事なのは、最初は無理せず、小さなことからコツコツと。それはやがて、自身の大きな力になるはずです。私の筋肉のように。