コラム 縁起(えんぎ) 

 吉凶の前兆、きざしとして一般に使われることが多い。たとえば不吉な言葉や行動に気をつけることを縁起を担ぐなどと言う。

 このように、迷信や俗信と同じように用いられることがあるが、元は仏教の用語で、存在するものは全て他と関係し合って存在しているのだという仏の根本の教えである。

 生きとし生けるものはすべて、そのものだけで存在することはできない。縁によって生ずるものであり、またすべての物事は縁によって起こる。自分という存在も、他の力・他の存在、つまり生命を支えてくれる食事やそれを提供してくださる他の人々、他の生命に生かされている。

 したがって自分がより良く生きるには、他のすべてをよくするための努力をすることが大切なのである。