コラム 変化(へんげ)

 ヘンカと読むと別の状態・性質に変わることを意味し、ヘンゲと読めば妖怪変化などと、妖気漂う意味合いが強くなる。もとはサンスクリット語のニルマーナ。万物の変わること、本来の姿を隠して仮に現れることをいう。

 法華経法師品の中に「もし悪刀杖および瓦石(がしやく)を加えんと欲せば即ち変(へん)化(げ)の人をつかわしてこれがために衛護(えご)となさん」という一文がある。へんげと読むが、ここでは仏や菩薩が私たち衆生を救うために姿を様々に変えて現れる「化(け)身(しん)」のことを示している。

 私たちは日々刻々と変化している。身体は老いていくが、心は老化ではなく若返りの方向に変(へん)化(か)することも可能である。また一心に念じ努力するならば、仏祖の変(へん)化(げ)の使いに助けられることを信じて初心を貫きたい。