コラム 虫払会(むしはらい・え)

 道教では、人の腹中に三尸(さんし)という三匹の虫が棲んでおり、庚(こう)申(しん)の夜眠っている間に天に昇りその人の罪悪を上帝に告げ、生命を縮めるとされていました。これを防ぐため、庚申の夜は一晩中眠らずに祈り守護を願う風習がありました。

 能勢妙見山では七月二十二日に虫払会を修しています。これは三尸信仰に由来するご祈祷です。土用で疲れがちな心身に忍び寄るストレス、不安、怒り、悲哀、迷いといった「心の虫」を、妙見山の霊刀「波切丸」で断ち切る行事です。

 この日ご祈祷を受けるかたは、頭に霊刀を頂戴し、妙見大菩薩様に祈り、波切丸の霊力で心の邪気を払ってもらいます。心身を清め、新たな気持ちで夏を乗り切り、再出発する機会にしてください。