コラム 牛乳(ぎゅうにゅう)

 ヒンズー教徒は牛は神聖な生き物だとして、決してビーフカレーなどは口にしない。牛は乳をくれるお母さんと同じだからと、インドでガイドからきいた。

 インドの酪農の歴史は非常に古く、仏典にも牛乳に関する記述は多い。釈尊が苦行の後に村の娘スジャータから乳粥を施された話は有名だ。

 牛乳は加工の度合いによって五段階に分類される。乳・酪(ヨーグルト)・生酥(しようそ)(バター)・熟酥(じゆくそ)(バターを精製した油)・さらにこの熟酥を発酵させたバター状の最高級の醍醐という五つである。

 涅槃経ではこの味の変化を、悟りに向かう段階に喩えている。また天台宗では種々の経典を対比して、この五味に当てはめて、法華経・涅槃経を最高の味とされる醍醐味に例えている。